物件を初めて見に来た時から割れていて、腐っていることも分かっていたが、ここまでだとは思っていなかった。
梁も柱も土台もボロボロで触ると粉になるほどに朽ちていた。モルタルの外壁は押すとブカブカに浮いているのが分かり、崩れ落ちなかったことが不思議なくらい。仮柱を添え、腐った柱を抜き取る。土台は栗、堅く耐水性も高いため昔の建物ではよく使われている。梁や柱に比べると腐りは少ない。が、単純に雨水の侵入経路から一番遠いからとも思える。また、ここの外壁は押入や収納家具の背面になっていたこともあり、空気の流れが少なく湿気がこもりやすい状態だったことも要因の一つと思われる。事実、ほかの部分の押入背面の外壁も同様に下地は腐っていた。雨水、湿気は木造の大敵。雨も湿気も多い日本において、いかに木材が乾燥しやすい環境をつくるかを改めて認識させられる。